スイングバイの基本 プランの作成 (2)

  1. 木星から土星へ
  2. プランの修正

木星から土星へ

Stage4に進むと、View:Sling Directの画面が表示されるようになる。

VARを何度かクリックして、Outward angleを選択。
++or--をクリックして(ADJor-AJで微調整)、Cl. Appをできるだけ小さくする。

VARをクリックして、Inc. angleを選択。
同様にCl. Appをできるだけ小さくする。

ある程度小さくなったら、反対側のMFDでStage5View:Encounterを表示する。

Stage5を見ながら、Outward angleInc. angleを交互に操作して、土星に衝突するような軌道にする。※

※誤差が大きいので、実際には衝突しません

プランの修正

前回作成した木星までの遷移軌道と、木星でのスリングショット軌道を一致させる。

木星までの軌道を修正する

Stage3に戻ると、緑と黄色の線が表示されている。
黄色の線がスリングショットに必要な軌道、緑の線がStage2で作成した軌道。
両方の線を一致させることで、スリングショットが可能な軌道になる。

片方のMFDはStage3View:Slingshotを表示しておく。
別のMFDでStage2View:Eject Planを表示する。

Stage2

を操作して、Stage3で黄色と緑の線が重なるようにする。

Stage3の左下に表示されている、
R. Inc0
Pe Ratioをできるだけ1に近づける。

TransXの計算には多少の誤差があるので、桁の小さい数字は無視してもよい。

2つの軌道を一致させる

片方のMFDをStage4、反対側をStage5に戻す。

Stage2の操作によって、多少のずれが生じている。
Outward angleInc. angleを交互に操作して、土星に衝突するような軌道にする。

終わったら、またStage2Stage3に戻る。
また黄色と緑の線が重なるように微調整する。

Stage5に戻る。
今度は、土星に衝突する軌道のままになっている。

次回はこのプランを実行し、木星と土星を目指して出発する。

解説

まず、スイングバイを実行する天体までの遷移軌道を作成する。
この作業によって、どのような速度で最初の天体を通過するかが決定される。

次に、天体のどのあたりを通過するかを選択する。
Outward vel.が天体の進行方向に対しての前後。
Ch. plane vel.が天体の公転面に対しての上下。
これによって、スイングバイのあとで軌道がどのように変化するかが決定される。

遷移軌道を修正して、先に決めたとおりに天体のそばを通過するようにする。
しかし、遷移軌道を変化させると、天体を通過するときの速度も変化してしまう。
このため、スイングバイ後の軌道をもう一度修正する必要がある。

「スイングバイ前の遷移軌道」と「スイングバイ後の軌道」をすり合わせることによって、無駄のないスイングバイ軌道を作成することができる。