TransXとIMFD
TransXとIMFDはOrbiterで軌道計算・マニューバの作成ができるMODです。
ダウンロード・インストール
TransXの解説一覧
TransXの基本操作
スイングバイの基本
ボイジャー2号のグランドツアーを例に、スイングバイの基本的な操作を説明します。
Off-plane transfer
軌道面を変更せずに(Align MFDを使わずに)地球から月まで飛行するテクニックについて説明します。
その他
IMFDの操作
地球から火星へ
地球から火星へのフライトを例に、IMFDの基本操作を解説します。
- Target Interceptとフライトプランの作成
- Surface Launchを使った打ち上げ
- Orbit Ejectを使って地球を離れる
- Target Interceptによる軌道修正
- Map Programの基本操作
- BaseApproachとOrbit Insertで基地上空へ
- 効率のよい軌道を探す
月を出発点にする
月などの衛星を出発点にしたフライトについて解説します。
Offset機能
Offset機能を使った自由帰還軌道について解説します。
AMSO(アポロ計画のMOD)で必要になるテクニックです。
TransXとIMFDの違い
長所と短所
どちらも同じような作業に使えるツールですが、それぞれ長所と短所があります。
TransXの長所
- 単純なマニューバやフライトプランを手早く作れる。
- スイングバイを含むフライトプランの作成が得意。
- 比較的シンプルで理解しやすい。
- LaunchMFDでの自動打ち上げが可能。
TransXの短所
- 手動で微調整しなければいけない場面が多い。
- 予測と実際の結果の誤差が大きい。
- 月を出発点にしたフライトプランを作るのが難しい。
IMFDの長所
- マニューバをほぼ全自動で実行できる。
- 軌道予測の精度が高い。
- マニューバの作成だけでなく、さまざまな機能が充実している。
IMFDの短所
- 自動化されすぎて何が起きているかわかりにくい。
- 実行不可能なマニューバを作成・実行しようとしてしまうことがある。
- スイングバイが苦手。
- 自動打ち上げには対応していない。
TransXとIMFDはお互いを補完する存在です。
状況に応じて両方を使い分けるのがベストですが、TransXの操作を先に覚えることをおすすめします。
TransXはIMFDとくらべて機能が限定されており、ひとつひとつの手順を自分で操作する必要があります。
そのため、「宇宙船の飛び方」についての基本的な考え方を理解しやすいからです。
IMFDはある程度自動でマニューバを作成しますが、実行不可能なこともあります。
宇宙船の軌道についての基本的な理解があれば、IMFDが作成したマニューバが適切かどうか判断できるようになるでしょう。
Auto-minとTarget Intercept
TransXのAuto-minとIMFDのTarget Interceptは、どちらも自動で軌道を作成してくれる機能です。
ただし計算方法と考え方が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
TransXのAuto-minは、指定した出発時刻において、必要なデルタVが最小になるような軌道を計算します。
到着時刻の指定はできませんが、手っ取り早く効率のよい軌道を探してくれます。
IMFDのTarget Interceptは、出発時刻と到着時刻を指定すると、その条件に合う軌道を自動で作成してくれます。
このような計算のことをランベルト問題と呼びます。
両者を使い分けたり、組み合わせたりすることで、最適な軌道をすばやく計算することができます。
軌道予測の正確さ
TransXの軌道予測は比較的単純なモデルに基づいています。
別の言い方をすると、TransXの軌道予測は(ある程度)必ず外れます。
Non spherical gravityにも対応していません。
IMFDのMap programは、かなり正確に軌道を予測することができます。※
また、
Non spherical gravityに対応しています。
※Map programの軌道予測にも多少の誤差はあります
ただし、Target Interceptは別の計算方法を用いているため、必ず誤差が出ます。
正確な軌道を知るためには、Map programと併用する必要があります。
数字の表し方
桁の大きい数字を表現するとき、TransXとIMFDでは使える方法が異なります。
TransXと指数表記
TransXでは、指数表記を用いて桁の大きい数字を入力できます。
接頭辞をつけて入力することはできません。
ここで扱う指数表記とは、ある数字を10のn乗との掛け算で表すことです。
1000=10の3乗=1e3というように変換します。
例えば6571000という数字を指数表記に直すと、6571e3と書くことができます。
これは、6571×1000であることを意味しています。
6.571e6(6.571×1000000)と書くこともできます。
小数点以下の数字を表すときは、1e-3(0.001=1000分の1)というように書きます。
IMFDと接頭辞
IMFDでは、指数表記と接頭辞の両方で入力することができます。
接頭辞とは、k(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)などの記号です。
身近な例を挙げると、1000mを1kmで表したりするようなことです。
例えば200000という数字なら、接頭辞をつけて200kと書くことができます。
200k=200e3=0.2M=200000ということになります。
本来であれば、単位としてm(メートル)をくっつけてkmと表記すべきですが、省略して接頭辞だけを入力します。