打ち上げ方位を計算する

打ち上げの前に、「どの方向に打ち上げるか」を計算します。

Launch MFD

Launch MFDは、打ち上げ方位を自動で計算するMOD。
オートパイロットでの打ち上げにも対応している。

Launch MFDのインストールと操作

簡易計算機

計算式 (1) 計算式 (2)
北向き
南向き

必要な数字

Orbit MFDを開く。

TGTをクリックして、ターゲットの名前を入力。
FRMをクリックして、Frm EQUにする。

以下の数字を確認する。

左側(宇宙船) 右側(ターゲット)
Vel 自転による速度 Vel 目標軌道速度
Inc 打ち上げ地点の緯度※ Inc 軌道傾斜角

Incは軌道傾斜角を意味するが、地上では現在地の緯度と同じになる。

計算式

球面三角法

球面三角法の公式を使って、打ち上げ方位を計算できる。

\begin{equation} 打ち上げ方位① = \arcsin \left( \frac {\cos (ターゲットの軌道傾斜角)}{\cos (打ち上げ地点の緯度)}\right) \end{equation}

導出手順は以下の記事を参照すること。

球面三角と打ち上げ方位

自転速度を考慮する

地球は自転しているので、地上にある物体も西から東に移動している。
より正確な計算のためには、この速度も考慮する必要がある。

  1. 球面三角法の公式を使って、打ち上げ方位を計算する。
  2. (1)の方位角と目標軌道速度のベクトルを考える。
  3. (2)のベクトルから、自転速度による東向きのベクトルを引く。

計算式は以下の通り。

\begin{equation} 打ち上げ方位② = \arctan \left( \dfrac {目標軌道速度 \times \sin (打ち上げ方位①) -地上での速度}{目標軌道速度 \times \cos (打ち上げ方位①)}\right) \end{equation}

関数電卓を使う

Windowsには標準で関数電卓が付属している。
これを使って打ち上げ方位を計算できる。

スタートメニューから電卓アプリを開く。
左上のをクリック。
関数電卓を選択する。

計算式(1)

打ち上げ地点の緯度(この例では28.6)を入力する。
三角関数メニューからcosをクリック。
M+をクリック。

ターゲットの軌道傾斜角(この例では51.58)を入力する。
cosをクリック。

÷をクリック。
MRをクリックして、=をクリック。

三角関数メニューで2ndをクリック。
sin-1をクリック。

自転速度を考慮しない場合、これが打ち上げ方位になる。
南向きに打ち上げるときは、180からこの数字を引く。

計算式(2)

MCをクリックして、メモリを消去する。

(1)で計算した打ち上げ方位を入力する。
cosをクリック。
×をクリック。

目標軌道速度(この例では7700)を入力。
=をクリックして、M+をクリック。

(1)で計算した打ち上げ方位を入力する。
sinをクリック。
×をクリック。

目標軌道速度(この例では7700)を入力。
-をクリック。

自転による速度(この例では407.9)を入力。
=をクリック。

÷をクリック。
MRをクリックして、=をクリック。

三角関数メニューから、2ndをクリック。
tan-1をクリック。

他の惑星への打ち上げ

他の惑星への打ち上げについては、チュートリアルを参照すること。
Part18 金星へのPlanを作る