スイングバイの基本 プランの作成 (1)
TransXを使って、ボイジャー2号のグランドツアーを再現します。
打ち上げ日時の設定
Orbiterでは、史実と同じ日時を使って、実在するミッションを再現できる。
ChecklistsフォルダのQuickstartシナリオでゲームを開始する。
ゲームを起動したら、シナリオエディタを開く。
1977年8月20日の0時0分0秒(UTC)に移動する。
ステージの設定
地球→木星でのスリングショット→土星までのプランを作成する。
この時点で天王星・海王星を目指すプランも作れるが、今回は省略する。
両方のMFDでTransXを開く。
Stage1のSelect Targetで、Escapeを選択。
FWDをクリックしてStage2へ進む。
Stage2のSelect TargetではJupiterを選択。
Stage3ではEscapeを選択。
Stage4ではSaturnを選択。
Stage5ではSelect Targetの必要はない。
VWをクリックしてView:Encounterに切り換えておく。
木星までの遷移軌道を作る
ステージの作成が終わったら、BCKをクリックしてStage2まで戻る。
VWをクリックしてView:Eject Planを選択。
木星に向かうコースを設定する。
木星が終着点ではないので、少し通り過ぎるように設定する。
出発時刻を設定する
Eject dateを設定する。
今回は43375.5に設定する。
ENTをクリックすると直接入力できる。
Progradeを入力する
VARをクリックしてPrograde vel.を選択。
木星の軌道を少しはみだすような軌道を設定する。
++もしくは--を長押しクリック。
ADJないし-AJをクリックして微調整する。
Auto-Minを有効にする
VARをクリックしてOutward vel.を選択。
-AJを何度かクリックして、Auto-Minにする。
同様に、Ch. plane vel.もAuto-Minにする。
Eject dateを選択して、Microにする。
一回だけ++をクリック(長押し不可)すると、自動的にCl. App.が小さくなる。
Auto-Minを解除する
Ch. plane vel.を選択して、Auto-MinをMicroにする。
Outward vel.を選択して、Auto-MinをFineにする。
Outward vel.を少し操作して、Cl. App.を少し大きくしておく。※
※木星の中心を直撃するようになっていると、この後の操作がやりにくくなるため
FWDをクリックして、Stage3に進む。
View:Slingshotが表示されるようになる。
表示されない場合はVWをクリック。
緑の線が惑星の近くに出ていることを確認する。
次回に続きます。
用語
スイングバイ(swing by)とスリングショット(sling shot)は、いわゆる「重力アシスト」を意味する言葉です。
惑星の重力を利用して軌道を曲げ、惑星から公転速度をもらって加速するテクニックのことです。
日本語ではスイングバイのほうが一般的ですが、Orbiterではスリングショットのほうがよく用いられます。
混乱を避けるため、この記事ではスリングショット(Slingshot)と表記します。