Orbiter2016とOrbiter2024の違い
Orbiter2016からの主な変更についてまとめました。
システム要件
Orbiter2016 | |
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RAM | 4GB |
Windowsのバージョン | XPから10まで |
DirectXのバージョン | 7.0、9.0c |
HDD(SSD)の容量 | 2GB(高解像度テクスチャを導入するなら80GB) |
Orbiter2024 (最低限) |
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RAM | 500MB |
Windowsのバージョン | 10、11 |
CPU | デュアルコア |
GPU | 50 GFlops |
HDD(SSD)の容量 | 5GB |
Orbiter2024 (推奨) |
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RAM | 2GB |
GPU | 100 GFlops |
HDD(SSD)の容量 | 10GB(高解像度テクスチャを導入するなら80GB) |
Orbiter2024では有志が動作環境を検証したため、より正確な数字になっています。
オープンソース化
2021年7月27日、Orbiterのソースコードが公開されました。
Orbiter is now open source | Orbiter Forum
OrbiterはMartin Schweiger氏によって製作されたゲームであり、2000年11月に最初のバージョンが公開されて以来、長らく個人での開発が続いていました。
とはいえSchweiger氏がすべての要素を開発していたわけではなく、音声を再生する機能、シェーダーが扱える描画エンジン、各種宇宙船の追加などはユーザーに委ねられていました。
ソースコードが公開され、新しくOpenOrbiterとして有志による開発が進められることになり、その最初の安定版としてリリースされたのがOrbiter2024です。
オープンソース化に伴って、これまで別々にダウンロードする必要があった音声・描画モジュールが同梱されるようになりました。
2010→2016のように大きく機能が追加されたわけではないのですが、バグ修正を含め数多くの点で改良されています。
XRSound
XRSoundはOrbiterで音声(BGMや効果音などの全部)を再生するモジュールです。
Orbiter2016では別途ダウンロードする必要がありましたが、2024ではパッケージに同梱されています。
D3D9Client
D3D9ClientはDirectX9.0cを使ってゲーム画面を描画するモジュールです。
Orbiter2016では別途ダウンロードする必要がありましたが、2024ではパッケージに同梱されています。
また、Orbiter2024ではD3D9on12に対応し、DirectX9.0cに対応していないPCでも動かせるようになりました。
Orbiter2024のダウンロード+インストール - DX12Wrapper
軌道を表示する
プラネタリウムモード(キーボードF9)において、宇宙船などの軌道を表示できるようになりました。
この機能はD3D9Clientでのみ使用できます。
LaunchpadでModulesタブを開いて、DrawOrbitsにチェックを入れてください。

MODの互換性
Orbiter2010、Orbiter2016のMODについては、使用できるものと使用できないものがあります。
- IMFDとTransX(有志の改良版)、そしてLaunch MFDは2016のものがそのまま使える。
- SSVとNASSPは2024で開発が継続されている。SSVは2024対応版が出ている。
- XR2は2024対応版が公開されている。
- 着陸関連の仕様が変更されているらしく、一部の機体は正常に着陸できない。
- Legacy Touchdown Pointsが使えない。
- HUDを改変するMODは、正常に動作しなかったりゲームが起動しなかったりすることがある。
- Multistageが使えない。(2024対応版が開発中)
- Spacecraftは2024でも使えるが、正常に着陸できない。
- AMSOは対応していない。対応する予定もないとのこと。
- Space Elevatorは2024でも動作する。
MFD
デフォルトで同梱されているMFDの一部において、機能が追加されたり表示が改変されています。
Align MFD
Orbiter2024ではAlign MFDがアップデートされました。
機能に大きな変化はないのですが、各項目の表記が変更されています。
TransX
Orbiter2016までのTransXはいくつかバグを抱えていたのですが、2024では修正されています。
ただしAuto-centerなどの機能は実装されていません。
Orbiterチュートリアルを利用する場合は有志の改良版を導入してください。
重力場モデルの変更
Nonspherical gravity sources(非球対称な重力源)のオプションを有効にしたとき、緯度経度の両方を参照する重力場モデルを利用できるようになりました。
これによって、月のマスコン(質量集中)による軌道変化を再現できるようになりました。
JAXA|「かぐや」のこれまでの主な科学的成果すべての変更を確認する
Orbiter User Manual.pdf(Docフォルダ)の5-9ページに、バグ修正も含めたすべての変更点が掲載されています。